カフェコモンズ:カフェコモンズはNPO法人日本スローワーク協会によって運営されているコミュニティー・カフェです。

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「カフェ・コモンズ」について

カフェ・コモンズ看板 NPO法人日本スローワーク協会は2005年10月1日に、大阪府高槻市摂津富田に「カフェ・コモンズ」というコミュニティ・カフェを開店しました。カフェ・コモンズは、阪急電鉄「富田駅」とJR「摂津富田駅」の間の商店街にある雑居ビルの5階にあります。

 店内の窓からは、摂津富田の町並みや、遠く枚方や京都の山並みを眺望することができ、夜になると素晴らしい夜景を楽しむことができます。

 でも、どうしてNPOがカフェを開店し経営していこうとしているのでしょうか?以下に、カフェ・コモンズがどんな店なのかを、いくつかのトピックを紹介していくことで、私たちがカフェ・コモンズの経営と運営を通して、なにを実現しようとしているのかを報告していきたいと思います。
※2010年3月2日文章追加 『なぜNPO法人がカフェを!』

内装

カフェ・コモンズ内装 カフェ・コモンズで、まず取り上げなければいけないのは、その居心地の良さです。来店してくださる多くのお客様が、店の居心地のよさを褒めてくださいます。カフェ・コモンズの居心地のよさは、そのストローベイルで作られている内装の素晴らしさによることが大きいでしょう。ストローベイルを中心としたカフェ・コモンズの内装は、多くの人々の有形無形のご協力によって作られていきました。具体的には、

といった方々やNPO・NGO団体の協力によって作られています。

施工現場 大岩剛一氏は、ストローベイルという藁のブロックを積み上げ、そこに土を塗りこんでいくというストローベイル工法の第一人者です。コモンズの内装設計だけでなく、東京国分寺の「カフェスロー」の内装設計などストローベイルの建築を数多く設計監理されています。大岩氏のストローベイルへのこだわりには、シックハウス症候群に見られるような現代の工法がもたらす弊害への批判だけではなく、ストローベイル工法の普及を通して、大量生産大量消費に規定されている私たちのライフスタイルや価値観の具体的な見直しを実現するという意図があるように思われます。そして、大岩氏のそのような考えを具体的に実現していくのが、スローデザイン研究会で、そこには大島秀斗氏や金田とよみ氏といった大岩氏の考えやストローベイル工法に共鳴している魅力的な若者が数多く参加されています。

 「NPO法人ふくてっく」は大阪市に本拠のあるNPO法人で、「福祉と住環境を考える」をテーマに活動されています。多くの一級建築士や工業デザイナーや介護士、福祉関係者が参加され、高齢者や障害者の方々が暮らしやすい住居というテーマをもとに、建築や住居を考え直し、より共生的な住環境を実現していこうとされています。具体的な活動としては、高齢者向けバリアフリーの住宅改修や福祉用具の開発などを行われています。カフェ・コモンズの基礎施工には、「ふくてっく」の住宅改修部の部長である畑俊治氏、と施工会員である大和建設の立溝和行氏が、カフェ・コモンズの理念に共鳴し協力してくださいました。

若者たち 実際の施工には、福祉やフェアトレードや環境問題に興味を持っている多くの市民や学生たちが参加してくださいました。また日本スローワーク協会の別事業である「スロースペース」や、引きこもりの若者への支援活動を行っている「NPO法人ニュースタート事務局関西」に集う引きこもりの若者たちも多く参加してくださり、ストローベイルの土塗り作業などを手伝ってくださいました。そのなかでも特筆すべきなのは、引きこもりであった一人の若者が、土塗り作業や内装作業を中心的に行うことで自信を持ち、自分自身の歩いていく方向を決定したことでしょう。具体的な仕事や作業経験のなかで、良くも悪くも他人に評価されることで、彼は自分自身のプライドを取り戻し、元気に働くようになっています。

 カフェ・コモンズの内装の居心地のよさ、暖かさは、このような多くの人々の参加による「セルフメイド=手作り」が醸し出していると言えるでしょう。

石窯と木質ペレット

石窯

 ストローベイルと並ぶカフェ・コモンズの象徴に、石窯があります。石窯も、ストローベイルと同様に、多くの人々の協力によって作られました。

設計・施工管理 竹下晃朗 石窯研究会

 竹下晃朗氏は、京都・修学院在住の84歳の石窯研究家です。現役時代エンジニアであった竹下氏は、独自の理論で、パン焼き用の石窯と製パン理論の普及活動をされています。竹下氏の製パン理論は、地域で栽培された有機栽培・無農薬栽培の小麦粉を使い、その小麦粉を「練らない」で作ったパン生地を、300度という高温で焼成するという点に特徴があります。この製法は、小麦の風味そのものを殺さないという点で、機械で練り添加物を大量に使用することを前提とした現在の製パン技術とは、まったく違うものです。

 竹下氏は日本全国で数多くの石窯を設計されていますが、私たちの理念を伝えると石窯の設計を快諾してくださいました。石窯の実際の組み立ては、耐火レンガや珪藻土レンガをひとつひとつ積み上げていって行いました。その作業にも、精神科医を目指す医学生や引きこもりの若者たちが参加してくださいました。

 また石窯の燃焼原料には、高槻の森林組合が製造している木質ペレットを使用しています。木質ペレットは、間伐材や廃材を粉砕しペレット状に凝固したバイオマスエネルギーで、CO2を排出しないオルタナティブ・エネルギーとして注目されています。確かに木質ペレットも燃焼するとCO2を排出するのですが、樹木は生長過程でCO2を吸収して光合成を行うので、CO2の収支がゼロである、つまりCO2を増やさないというエネルギーとして注目されています。ペレットただ木質ペレットは現在のところ使用用途が限定されていて、高槻市役所主導で病院や学校などでの使用が検討されていますが、民間であるカフェ・コモンズが独自の方法と目的でペレットの使用を実践しているということで高槻市役所からも注目されています。

開かれたプロジェクトとしてのカフェ・コモンズ

 ストローベイルと石窯という二つの作成過程が表すように、カフェ・コモンズは、日本スローワーク協会の単独事業であると同時に、多くの人間や団体・組織に「開かれたプロジェクト」として実現した、ということもできるでしょう。この「開かれたプロジェクト」という特性は、内装や石窯作成だけではなく、企画段階から運営段階にいたるまで、多くの外部団体・組織や市民・学生との協力によって実現してきたという意味で、カフェ・コモンズの大きな特徴といえます。

 次に、運営や経営方針を見ることで、「開かれたプロジェクト」としてのカフェ・コモンズが何を実現しようとしているのかについて触れていきたいと思います。

運営とスタッフ

 開店後の運営には、多くの若者たちが参加してくれています。そのほとんどが福祉や環境問題やフェアトレードに興味を持っている若者です。そのなかで、引きこもりやニートの当事者であった2人の若者が、厨房やホールのスタッフとなっています。彼らは支援対象としてではなく、ともに働くスタッフとして運営には欠かせない戦力として働いています。

 カフェ・コモンズの基本的な考えとしては、引きこもりやニートの若者を「支援対象を必要としている社会的弱者」としてではなく、ともに働くひとりの人間、つまり他のスタッフと同じ位置にいる者として捉えるということにあります。また、店長やマネージャーと他のスタッフとの関係もフラットであることを目指しています。つまり、店長やマネージャー・スタッフというそれぞれの「ポジション(役職)」によって形成される運営組織ではなく、ひとりひとりが様々な興味と価値観を持っている「自分とは違う人間」と向き合っているという関係性を前提にした運営組織の形成を目指しているのです。そこはスタッフも、店長やマネージャーに直接意見が言うことができ批判することもできる対等で平等な協働の場です。

オープン・キッチン

 カフェ・コモンズでは、04年12月からキッチンを地域の市民に開放して、営業を行っていただいています。具体的には、火曜日から木曜日までの3日間のランチタイムの営業を、将来カフェを開きたい夢を持っている若い女性と中年の男性のチームに委託しています。チームとコモンズとの関係は、双務契約によって成り立っており、それぞれが経済的に成り立つような関係作りを目指しています。このようにカフェ・コモンズは、キッチンスペースを開放することで、「開かれたプロジェクト」としての運営を実現しています。将来的には、全ての営業時間を開放し、様々な市民や団体が、カフェ・コモンズの運営に参加してくださるようになることを実現したいと考えています。※上記の文章のオープンキッチン(お昼)は一旦終了しました。ただいま、夜営業のオープンキッチン運営者を募集しております。

イベントの開催

 これまでカフェ・コモンズでは、外部団体主催の数多くのイベント(ワークショップやシンポジウム、ライブなど)を開催してきました。今後もイベントを企画・開催するのは、カフェ・コモンズだけではなく、外部団体が活用できる場でありたいと考えています。つまりカフェ・コモンズは市民や地域住民、NPOや市民団体へ開かれた空間であると同時に、情報発信スペースとして機能していきます。また様々なイベントを開催することで、様々な市民やNPO・NGOなどのネットワークが形成されていく拠点となることを目指しています。

経営の方針

 カフェ・コモンズは、NPOが経営する「様々な社会的ミッション」を持ったカフェです。しかしこれまでのNPO経営のカフェにありがちなように「よいことをしているからサービス内容は問わない」というビジネスではなく、通常のビジネスとしての経営を目指しています。カフェのお客様にとって、私たちが「社会的に良い事」をしているかどうかは関係ありません。お客様が求めるのは、よい商品とサービスの提供です。つまり「よりよい商品とサービスの提供」を前提とした競争力のあるビジネスを目指しているということです。このことは、社会的ミッションの実現を目指したNPO活動を、「助成金」と「無償ボランティアという労働力」に依存した活動ではなく、そこで働く人々が「結婚して子供を育てる」というフツーの生活が実現できるような活動、つまりコミュニティビジネスとして転回させていきたい、という理念の現れです。

 また、カフェ・コモンズの開店資金・運営資金は、助成金や高額の寄付金はよっていません。ほとんどの資金が、実際に働く者の資金提供と長期借入金によっています。実際に融資を受けたファイナンスへの返済は予定通り進めています。このことも、NPO活動を、「社会的ミッション」を実現するための経済的な活動へ転回していこうという理念の現れです。

 以上のようにカフェ・コモンズには実に様々な要素が含まれています。この多様さは、日本スローワーク協会が目指している「オルタナティブな社会」がどのようなものであるのかということの現われだといえるでしょう。その意味で、カフェ・コモンズは、日本スローワーク協会が掲げる理念を実現するための「実験室」と言ってもよいと思います。

なぜNPO法人がカフェを!?

 こんにちは。カフェコモンズを経営しているNPO法人日本スローワーク協会です。私たちは社会的に不利を被っている人々とともに働く場を作りささえあうことを活動理念にしています。そのために同じ高槻市富田にある、ひきこもりの若者を支援するNPO法人ニュースタート事務局関西の若者にとっての社会体験の場や、近隣の精神科病院に通われる障害ある方にとっての就労の場を開拓し、運営してきました。
もちろんカフェコモンズもその一つですが、カフェを運営してきたことには特別の意味があったと私たちは感じています。
この20年近くの長い経済不況のために大きな会社の正社員として働いてさえいても、将来の保障はなく、それどころか若い世代が正社員として働く機会すらなく、若者を中心としてワーキングプアと呼ばれる非正規労働者は1千万人を超えるといわれています。ですが経済不況そのものよりも、かつて一億総中流といわれた日本人の会社を中心とする生活モデルが崩壊したことこそが、より大きな問題だと私たちは考えます。いまや人と人とのつながりさえお金が解決すべき問題になり、ひきこもり、孤独死などの現象が象徴するように、互いに頼り頼られる関係を形成する場がなくなったことこそが問題です。
素敵なカフェは自然と多くの人の居場所、溜まり場になりますよね。働く場としてこのような機能を持つ居場所は、ますます重要になってきているのではないでしょうか。
若者や社会的に不利な人たちが孤立するのではなく、人間的なつながりを生み出していける場として発展できるよう、私たちはカフェコモンズを多くの方にご利用いただきたいと思います。そのために、公でも民でもない新しい働く場の形と言われる「社会的企業」モデルを、現行の障害福祉サービス事業の中では最もそれに近い形といわれる「就労継続支援A型」事業を開始することを通して実践していきます。(平成27年9月1日より就労継続支援B型に移行)またニュースタートの若者たちが自ら運営するお店の営業の体験、あるいは若者たちが活躍するイベントやワークショップを通して、コモンズを核としたさまざまな関係の創出をめざします。

※2010年3月2日追加文章、文責:理事長井

 

地図

アクセス:
■JR京都線「摂津富田」駅下車、南出口より徒歩3分
■阪急京都線「富田」駅下車、北出口より徒歩2分
WESTビル5F

※高槻市周辺地図はこちらをご覧下さい(MapFanWebへリンク)

 

 
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