カフェコモンズ:カフェコモンズはNPO法人日本スローワーク協会によって運営されているコミュニティー・カフェです。

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第三期 カフェ・コモンズ 2020年10月〜

2020年4月 NPO法人事務局

カフェ・コモンズの運営理念の再構築

カフェ・コモンズは本年、2020年10月に開店から15年周年となります。 15年の時間が経過すると、当初からの参加者の多くが入れ替わり、理念と現場との乖離が見受けられるよう になってきました。

開店15年目になる2020年、もう一度、ミッションについての議論を行い、見直し、修正をいたしましたのでご一読ください。
今後ともカフェ・コモンズ及びNPO法人日本スローワーク協 会をよろしくお願いいたします。

<ミッション>
『コモンズ』=共有地(入会地)の言葉の意味にもう一度たちかえって、内外の多くの人に、さらにカフェ・ コモンズを活用していただく事で、社会にとっても、自分たちにとっても有益な場所にしていく。

<共有地のテーマ>
共有地をつなぐテーマはNPO法人設立時の問題意識である『雇用』『働き方』『就労』『仕事』とする。

<問題意識>
NPO法人日本スローワーク協会は「働き方」「就労」「仕事」「雇用」などについて問題意識を持つ人たちが集まり設立されました。カフェコモンズもその考えに沿って開店し、運営する中で多くの引きこもりや精神障碍者の方が関わるようになりました。設立から15年たった現在でも、引きこもりや精神障碍者の社会参加へ向 けての最大の障壁は「働き方」「就労」「雇用」「仕事」の問題であることは変わらないと認識しています。

ミクロ的、直接的には自分たちでコミュニティビジネスをおこし新しい仕事場を作っていく事は解決法の一つで引き続きチャレンジをしていきますが、自分たちの力だけでやる事にも限界があります。カフェコモンズを通じて、外へと開いた上で、問題意識や情報を色々な方と共有する事、あらためて情報を発信する事。繋がりを作る事による解決法を模索し ていきたいと考えています。

 

第二期 カフェ・コモンズ 2010年4月〜

なぜNPO法人がカフェを!?

 2010年3月2日 文責:理事長井

こんにちは。カフェコモンズを経営しているNPO法人日本スローワーク協会です。私たちは社会的に不利を被っている人々とともに働く場を作りささえあうことを活動理念にしています。そのために同じ高槻市富田にある、ひきこもりの若者を支援するNPO法人ニュースタート事務局関西の若者にとっての社会体験の場や、近隣の精神科病院に通われる障害ある方にとっての就労の場を開拓し、運営してきました。

もちろんカフェコモンズもその一つですが、カフェを運営してきたことには特別の意味があったと私たちは感じています。

この20年近くの長い経済不況のために大きな会社の正社員として働いてさえいても、将来の保障はなく、それどころか若い世代が正社員として働く機会すらなく、若者を中心としてワーキングプアと呼ばれる非正規労働者は1千万人を超えるといわれています。ですが経済不況そのものよりも、かつて一億総中流といわれた日本人の会社を中心とする生活モデルが崩壊したことこそが、より大きな問題だと私たちは考えます。いまや人と人とのつながりさえお金が解決すべき問題になり、ひきこもり、孤独死などの現象が象徴するように、互いに頼り頼られる関係を形成する場がなくなったことこそが問題です。

素敵なカフェは自然と多くの人の居場所、溜まり場になりますよね。働く場としてこのような機能を持つ居場所は、ますます重要になってきているのではないでしょうか。

若者や社会的に不利な人たちが孤立するのではなく、人間的なつながりを生み出していける場として発展できるよう、私たちはカフェコモンズを多くの方にご利用いただきたいと思います。そのために、公でも民でもない新しい働く場の形と言われる「社会的企業」モデルを、現行の障害福祉サービス事業の中では最もそれに近い形といわれる「就労継続支援A型」事業を開始することを通して実践していきます。(平成27年9月1日より就労継続支援B型に移行)またニュースタートの若者たちが自ら運営するお店の営業の体験、あるいは若者たちが活躍するイベントやワークショップを通して、コモンズを核としたさまざまな関係の創出をめざします。

 了

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日本スローワーク協会はもともと、「協同組合的働きの場づくり」という共通の理念をもって活動していますが、これだけでは少し抽象的であるということで、スローワークに関わる人たちに「もう少し具体的な文言の理念を作ろう」と昨年から呼びかけ、2014年から続けている、協同運営委員会の議論を経て以下の理念が決定しましたのでご紹介いたします。

私たちは、社会の基準は人本来の多様性を捨てさせ、上下関係や差別、障害を枠づけると考えた。 私たちは時間をかけても自分たちで考え、排除のない自由で対等な関係を育て、 それぞれの味を大切にやりたいを仕事に反映して対等の眼差しを社会に広げたい。

2018年5月17日 協同運営委員会

 

第一期 カフェ・コモンズ 2005年10月〜


「事業概要 企画書」
NPO法人日本スローワーク協会 カフェ・コモンズ設立準備委員会 
2005年5月  

1.「カフェ・コモンズ」って何?

オープンミーティングの様子 不登校・引きこもりの若者の脱出・就労支援を行っているNPO法人ニュースタート事務局関西の活動を通して結成された日本スロー・ワーク協会は、立上げと同時に「新しい働きの場所」作りを目指してきました。その一つが社会問題や芸術、人々の交流の場としてのカフェ事業の企画でした。

 カフェスロー(Cafe SLOW)。東京の府中にある環境NGOナマケモノ倶楽部を中心に運営されているカフェの名前です。ファスト(FAST)な競争社会に、スロー(SLOW)という価値観を対置させることにより、新しい生き方を提案するカフェ空間です。

カフェ・スロー(東京府中)ストロー・ベイルのカウンター 東京府中のカフェスローをひとつのモデルとして、日本スロー・ワーク協会を中心に様々な議論が重ねられてきました。また関西の風土に馴染むカフェ事業の運営方法も検討されてきました。

 単なる飲食店ではなく、ワークショップやイベント、ライブなどを定期的に行うことにより新しい価値観を提案する学びの場所とします。生活協同組合や様々な生産者との提携により顔の見える食材を、こだわりの技術で調理します。

 カフェ・コモンズはスロー・ワーク(SLOW WORK)という新しい働き方を提案し実践することで「働くこと」の価値観を問い直し、生産者と消費者の新しい関係を模索します。「働くこと」に希望を失った若者たちが、その希望を取り戻すための場所を目指します。

 カフェ・コモンズを、社会を少しでもよい方向に変えていきたいと願う人々、物を作る人々、芸術に携わる人々、様々な価値観を持った人々が集う、文字どおりの「共有地」にしたいと考えています。

 カフェ・コモンズ。ここから何かが始まる!そんなカフェ空間を目指しています。

(※ COMMONS コモンズ・・・共有地・入会地)

WESTビル内部 WESTビル外観
カフェ・コモンズ 入居物件  WESTビル5F(写真は3Fのものです)

2.市民参加型プロジェクトとしての Cafe Commons

 カフェ・コモンズの企画は、ニュースタート事務局関西のなかから生まれました。最初に引きこもりやNEETと呼ばれる若者たちの労働体験のための事業を始める、という目的がありました。

 ここにナマケモノ倶楽部が提唱するスロービジネスとニュースタートが掲げるスローワークの考え方が結びつき、スローフードやフェアトレード・地域通貨などを取り入れた環境問題・労働問題、ひいては社会・経済全体の問題をテーマとしたコンセプト・ショップを目指すことになりました。

 ひとつの問題が多くの問題意識を引き寄せる形で企画が進行していきました。準備段階で様々なNPO・NGOや市民活動・様々な支援者とつながりあい、刺激を受けることでプロジェクト自体が成長してきました。

 カフェ・コモンズのプロジェクトは多くの方々のご協力、ご支援を受けてスタートすることになりました。

■企画・運営 NPO法人日本スローワーク協会
■企画協力 NPO法人ニュースタート事務局関西
NPO法人ワーカーズコレクティブサポートセンター
■店舗設計 スローデザイン研究会(大岩剛一先生)
■施工 NPO法人ふくてっく
株式会社 大和建設
■web&グラフィック・
デザイン
クリエイティブ・スペース創庵(そあん)
アクアリーaQuary
ワクワク・クリエィション
(京都西陣 SOHO町屋 「藤森寮」内)
■協力 カフェスロー(東京府中)
Q−project(地域通貨)
■食材協力 フェアトレードコーヒー豆 カフェ リピジャ

3.カフェ・コモンズ と ニュースタート事務局関西

(1)若者たちの就労支援

引きこもりやNEETと呼ばれる若者たちの労働体験、さらに働く技術を身につける場所とします。

カフェ・コモンズで働きながら学ぶことができる知識と技術は、

  • パンを焼き、作るための知識と技術
  • 料理を作る技術と、食材の安全や味覚に対する知識
  • 音楽や映像・絵画など芸術に対する知識と、楽しみ方。
  • 自分の興味をイベントとして表現していく知識と技術。

などです。

積極的に働く技術を身に付けていこうとする若者が有償ボランティアになり、やがて経営にも携わるスタッフへと成長していくことが目標です。

(2)様々な価値観を持った人々との交流

 カフェ・コモンズには様々な人々が集まってくるでしょう。南北問題や環境問題、様々な社会問題に関心を持った人たち。音楽や映像などの芸術に携わる人たち。農業をしている人や、福祉の仕事をしている人。あるいは長い間海外を放浪していたような人。

 若者たちが家庭や学校ではなかなか接触できなかったような人々と交流することにより、様々な人々の考えや価値観を学び、自分なりの生き方を探すヒントを見つけ出すことができるようなカフェ空間を目指します。

ニュースタート写真 ニュースタート写真 ニュースタート写真 ニュースタート写真


(3)新しい働き方の提案

 カフェ・コモンズは飲食店ですが、NPOの経営による単なる利益の追求だけを目的にした事業ではありません。若者の就労支援にとどまらず、環境問題や南北問題、都市と農村や拡大しつつある貧富差などの問題を、働くことにより少しでも改善していこうという志を持って行う事業です。

 自分が「何かがおかしい」と思う感覚を、積極的に解決して行こうとすること。

 弱者への暖かな視線を持ちつつ、自分を強く鍛えていくこと。

 ほんとうに大切なものを見つけ出していくこと。

 カフェ・コモンズは働くことをとおして、そんな若者たちを育てて行きたいと考えています。

4.Cafe Commons のコンセプト

(1)スロー・デザイン

ストローベイル カフェは内装に自然素材を用い、エコロジカルな空間としてデザインされます。

 設計・店内デザインははスロー・デザイン研究会の大岩剛一氏。21世紀は地球規模での環境問題に直面している時代であり、カフェの空間そのものが自然との共生という価値観を体現します。

 スロー・デザインを代表するものが、ストロー・ベイル建築です。藁のブロックを積み上げたものに珪藻土を塗り固めて作ります。化学製品・工業製品の拒否。商業主義建築の排斥といったポリシーに基づき、ナチュラル・エコロジー・ローコストの建築を体現します。

 また、ストロー・ベイルは防音性・断熱性にも優れエネルギーの消費を抑制します。

(2)フェア・トレード(公正貿易)

コーヒーのイメージ

 フェア・トレードは環境を破壊し富と貧困の格差を拡大する一方のグローバル化のかわりに、生産者と消費者、都市と農村、「南」と「北」、今の世代と未来の世代、人と他の生物たちとの間のより公正な関係を目指します。

 カフェで飲めるコーヒーは、潟Eインドファームが南米のエクアドル・インタグ地方からフェアトレードによって輸入したコーヒーです。

 

(3)スロー・フード

 

 食材はオーガニックにこだわります。遺伝子組み換えや化学薬品を使わない有機食材の素材の味を生かした手作りのおいしい料理を、ゆっくりと楽しんでいただける場を目指します。千里山生活協同組合や同生協が属する関西の生協ネットワーク「Willネット」。から、生産者の顔が見え、栽培方法や加工方法がはっきりした食材を使います。

代表的な食材

<石窯で焼くパン・ピザ>
国内産小麦を使い天然酵母で発酵させた昔ながらの手作りパン。珪藻土のレンガを使った石窯で焼きます。

<豚肉・ハム・ソーセージ(ウインナークラブ)>
原料は「オリジナル豚」を使用。餌は100%非遺伝子組み換えなので安心して食べていただけます。

<有機豆腐>
国内産大豆を使用した天然にがり100%の有機豆腐

<季節の野菜>
千里山生協の季節の野菜を生かしてサラダなどにします。

<低温殺菌牛乳>
Willネットが扱う産直牛乳をミルクとして、また調理に使用します。

 

(4)地域通貨

 

カフェ・コモンズは、スローマネーとして地域通貨を積極的に導入します。地域通貨は利子がつかないという特徴があり、投機などによって自己増殖しないお金です。また、地域のつなぎ直しや、町づくりなどに効果を発揮すると言われています。

・カフェ・コモンズで使える地域通貨
<高槻地域通貨NS>
大阪府福祉推進財団が公募した「地域通貨で行う人・地域のつながりづくり」事業にNPO法人ニュースタート事務局関西が応募し、「地域通貨を軸とした若者の就労支援とコミュニティビジネスの相互支援システム」が選ばれ、2004年8月より発行を開始した、紙幣型地域通貨。
<おおさか☆LETS>
大阪の地域通貨に関心を持つ人たちのネットワークの中で流通している地域通貨。LETS(Local Exchange Trading System)という金券を使わない口座管理によあって取引を行う。高槻地域通貨NS件はおおさか☆LETSの経験を経て設計されている。
<キョートレッツ>
京都の地域通貨に関心を持つ人たちのネットワークのなかで流通している地域通貨。LETS型。1999年より活動している老舗地域通貨。おおさか☆LETSはこの地域通貨の方法を継承して誕生した。
<LETS-Q>
LETS型。インターネットを使っての決済を可能にした全国型の地域通貨。Qでいう地域とは住んでいる場所のことではなく、関心や価値観を同じくするもののネットワークを指す。今回のカフェ・プロジェクトにおいては、ニュースタート事務局関西と東京府中のカフェスローをつなぐ役割を果たした。
<ナマケ>
東京府中のカフェスローを運営する環境文化NGOナマケモノ倶楽部が発行する地域通貨。紙幣型。ナマケは紙幣自体がエコパペルとタグアというエクアドルで生産されるフェアトレード製品によって作られる。


 

地図

アクセス:
■JR京都線「摂津富田」駅下車、南出口より徒歩3分
■阪急京都線「富田」駅下車、北出口より徒歩2分
WESTビル5F

※高槻市周辺地図はこちらをご覧下さい(MapFanWebへリンク)

 
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