カフェコモンズ:事業概要

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1.企画書2.資金提供についての指針3.カフェ事業総括
         
   

事業概要 企画書

NPO法人日本スローワーク協会 カフェ・コモンズ設立準備委員会  

1.「カフェ・コモンズ」って何?

オープンミーティングの様子 不登校・引きこもりの若者の脱出・就労支援を行っているNPO法人ニュースタート事務局関西の活動を通して結成された日本スロー・ワーク協会は、立上げと同時に「新しい働きの場所」作りを目指してきました。その一つが社会問題や芸術、人々の交流の場としてのカフェ事業の企画でした。

 カフェスロー(Cafe SLOW)。東京の府中にある環境NGOナマケモノ倶楽部を中心に運営されているカフェの名前です。ファスト(FAST)な競争社会に、スロー(SLOW)という価値観を対置させることにより、新しい生き方を提案するカフェ空間です。

カフェ・スロー(東京府中)ストロー・ベイルのカウンター 東京府中のカフェスローをひとつのモデルとして、日本スロー・ワーク協会を中心に様々な議論が重ねられてきました。また関西の風土に馴染むカフェ事業の運営方法も検討されてきました。

 単なる飲食店ではなく、ワークショップやイベント、ライブなどを定期的に行うことにより新しい価値観を提案する学びの場所とします。生活協同組合や様々な生産者との提携により顔の見える食材を、こだわりの技術で調理します。

 カフェ・コモンズはスロー・ワーク(SLOW WORK)という新しい働き方を提案し実践することで「働くこと」の価値観を問い直し、生産者と消費者の新しい関係を模索します。「働くこと」に希望を失った若者たちが、その希望を取り戻すための場所を目指します。

 カフェ・コモンズを、社会を少しでもよい方向に変えていきたいと願う人々、物を作る人々、芸術に携わる人々、様々な価値観を持った人々が集う、文字どおりの「共有地」にしたいと考えています。

 カフェ・コモンズ。ここから何かが始まる!そんなカフェ空間を目指しています。

(※ COMMONS コモンズ・・・共有地・入会地)

WESTビル内部 WESTビル外観
カフェ・コモンズ 入居物件  WESTビル5F(写真は3Fのものです)

2.市民参加型プロジェクトとしての Cafe Commons

 カフェ・コモンズの企画は、ニュースタート事務局関西のなかから生まれました。最初に引きこもりやNEETと呼ばれる若者たちの労働体験のための事業を始める、という目的がありました。

 ここにナマケモノ倶楽部が提唱するスロービジネスとニュースタートが掲げるスローワークの考え方が結びつき、スローフードやフェアトレード・地域通貨などを取り入れた環境問題・労働問題、ひいては社会・経済全体の問題をテーマとしたコンセプト・ショップを目指すことになりました。

 ひとつの問題が多くの問題意識を引き寄せる形で企画が進行していきました。準備段階で様々なNPO・NGOや市民活動・様々な支援者とつながりあい、刺激を受けることでプロジェクト自体が成長してきました。

 カフェ・コモンズのプロジェクトは多くの方々のご協力、ご支援を受けてスタートすることになりました。

■企画・運営 NPO法人日本スローワーク協会
■企画協力 NPO法人ニュースタート事務局関西
NPO法人ワーカーズコレクティブサポートセンター
■店舗設計 スローデザイン研究会(大岩剛一先生)
■施工 NPO法人ふくてっく
■web&グラフィック・
デザイン
クリエイティブ・スペース創庵(そあん)
アクアリーaQuary
ワクワク・クリエィション
京都西陣 SOHO町屋 「藤森寮」内)
■協力 カフェスロー(東京府中)
Q−project(地域通貨)
■食材協力 (株)ウインドファーム(フェアトレード)
千里山生活協同組合(Willネット)
(株)ウインナークラブ

3.カフェ・コモンズ と ニュースタート事務局関西

(1)若者たちの就労支援

引きこもりやNEETと呼ばれる若者たちの労働体験、さらに働く技術を身につける場所とします。

カフェ・コモンズで働きながら学ぶことができる知識と技術は、

  • パンを焼き、作るための知識と技術
  • 料理を作る技術と、食材の安全や味覚に対する知識
  • 音楽や映像・絵画など芸術に対する知識と、楽しみ方。
  • 自分の興味をイベントとして表現していく知識と技術。

などです。

積極的に働く技術を身に付けていこうとする若者が有償ボランティアになり、やがて経営にも携わるスタッフへと成長していくことが目標です。

(2)様々な価値観を持った人々との交流

 カフェ・コモンズには様々な人々が集まってくるでしょう。南北問題や環境問題、様々な社会問題に関心を持った人たち。音楽や映像などの芸術に携わる人たち。農業をしている人や、福祉の仕事をしている人。あるいは長い間海外を放浪していたような人。

 若者たちが家庭や学校ではなかなか接触できなかったような人々と交流することにより、様々な人々の考えや価値観を学び、自分なりの生き方を探すヒントを見つけ出すことができるようなカフェ空間を目指します。

ニュースタート写真 ニュースタート写真 ニュースタート写真 ニュースタート写真


(3)新しい働き方の提案

 カフェ・コモンズは飲食店ですが、NPOの経営による単なる利益の追求だけを目的にした事業ではありません。若者の就労支援にとどまらず、環境問題や南北問題、都市と農村や拡大しつつある貧富差などの問題を、働くことにより少しでも改善していこうという志を持って行う事業です。

 自分が「何かがおかしい」と思う感覚を、積極的に解決して行こうとすること。

 弱者への暖かな視線を持ちつつ、自分を強く鍛えていくこと。

 ほんとうに大切なものを見つけ出していくこと。

 カフェ・コモンズは働くことをとおして、そんな若者たちを育てて行きたいと考えています。

4.Cafe Commons のコンセプト

(1)スロー・デザイン

ストローベイル カフェは内装に自然素材を用い、エコロジカルな空間としてデザインされます。

 設計・店内デザインははスロー・デザイン研究会の大岩剛一氏。21世紀は地球規模での環境問題に直面している時代であり、カフェの空間そのものが自然との共生という価値観を体現します。

 スロー・デザインを代表するものが、ストロー・ベイル建築です。藁のブロックを積み上げたものに珪藻土を塗り固めて作ります。化学製品・工業製品の拒否。商業主義建築の排斥といったポリシーに基づき、ナチュラル・エコロジー・ローコストの建築を体現します。

 また、ストロー・ベイルは防音性・断熱性にも優れエネルギーの消費を抑制します。

(2)フェア・トレード(公正貿易)

コーヒーのイメージ

 フェア・トレードは環境を破壊し富と貧困の格差を拡大する一方のグローバル化のかわりに、生産者と消費者、都市と農村、「南」と「北」、今の世代と未来の世代、人と他の生物たちとの間のより公正な関係を目指します。

 カフェで飲めるコーヒーは(株)ウインドファームが南米のエクアドルのインタグ地方からフェア・トレードによって輸入したコーヒーです。


− エクアドルのコーヒーについて −


エクアドルの緑豊かな山間風景  中南米のエクアドルという国は日本の約3分の2、世界の0.2%の面積しか持たない国です。しかしこの国には地球上の全植物種の10%の生息が確認されていて、後世に伝えるべき種がぎっしりと詰まっているのです。ガラパゴス諸島の海辺から6千メートル級のアンデス山脈まで、熱帯雨林から氷河までの様々な生態系がモザイクのように組み合わされているからです。

 同時にこの国は、激しい環境破壊の現場でもありました。開発と称して行われる森林破壊・土壌浸食のせいで90%を超える原生林が失われました。森のなかで自給的な生活をしていた人々は森を追われ、コミュニティーを崩壊され、本来の生活の場を奪われていきました。

 グローバルな経済はこの国の人々に物質的な「豊かさ」を与え、引き換えに強引な乱開発を行い自然や文化の多様性を破壊していったのです。

エクアドルのコーヒー農園 エクアドルの北西部に位置するインタグの森は、類まれな生物の宝庫でした。その森にも開発の手がのびつつありました。日本の企業が鉱山の試掘を始めていました。

 インタグ地域は経済的には貧しい地域でした。国連の調査によると90%以上の住民が貧困ライン以下だということです。開発を受け入れればこの地域にもお金が落ちます。しかし、彼らの故郷の森は破壊されてしまうのです。「森を護りたい。」しかし経済的な貧困を抱える地域では、それだけでは鉱山開発を食い止められない。インタグの人々は森を護るため、開発とは別の経済的発展を選択することになりました。開発とは別の収入源を作り出すことです。その一つの形が伝統的な有機コーヒーの栽培でした。

 この有機コーヒーを日本に輸入しているのが潟Eィンドファームです。フェア・トレードでは普通の会社が買うのよりも高い値段でコーヒーを買います。代金も前払いで、現地の生産者が生活できるように配慮します。貧しい国の人々を救いたい、という思いだけではありません。同じ地球人として豊かな森を護る責任が私たちにもあるはずです。

(3)スロー・フード

食材はオーガニックにこだわります。遺伝子組替えや化学薬品を使わない有機食材の素材の味を生かした手作りのおいしい料理を、ゆっくりと楽しんでいただける場を目指します。

千里山生活協同組合や同生協が属する関西の生協のネットワーク「Willネット」、から、生産者の顔が見え、栽培方法や加工方法がはっきりした食材を使います。

ソーセージの写真 市場の写真
代表的な食材
石窯で焼くパン・ピザ

国内産小麦を使い天然酵母で発酵させた昔ながらの手作りパン。珪藻土のレンガを使った石窯で焼きます。

豚肉・ハム・ソーセージ(ウインナークラブ)

原料は「オリジナル豚」を使用。餌は100%non-GMO(非遺伝子組み換え)なので安心して食べていただけます。

有機豆腐

国内産大豆を使用した天然にがり100%の有機豆腐。

季節の野菜

千里山生協の季節の野菜を生かしてサラダなどにします。

低温殺菌牛乳

Willネットが扱う産直牛乳をミルクとして、また調理に使用します。

牛乳の写真 豆腐の写真 卵の写真
リンゴの写真 葡萄の写真

(4)地域通貨

  カフェ・コモンズは、スローマネーとして地域通貨を積極的に導入します。地域通貨は利子がつかないという特徴があり、投機などによって自己増殖しないお金です。また、地域のつなぎ直しや、町づくりなどに効果を発揮すると言われています。

カフェ・コモンズで使える地域通貨
高槻地域通貨NS券

地域通貨・高槻地域通貨NS券 大阪府福祉推進財団が公募した「地域通貨で行う人・地域のつながりづくり」事業にNPO法人ニュースタート事務局関西が応募し、「地域通貨を軸とした若者の就労支援とコミュニティービジネスの相互支援システム」が選ばれ、2004年8月より発行を開始した、紙幣型地域通貨。

おおさか☆LETS

地域通貨・おおさか☆LETS 大阪の地域通貨に関心を持つ人たちのネットワークのなかで流通している地域通貨。LETS(Local Exchange Trading System)という金券を使わない口座管理によって取引を行う。高槻地域通貨NS券はおおさか☆LETSの経験を経て設計されている。

キョートレッツ

地域通貨・キョートレッツ 京都の地域通貨に関心を持つ人たちのネットワークのなかで流通している地域通貨。
 LETS型。1999年より活動している老舗地域通貨。おおさか☆LETSはこの地域通貨の方法を継承して誕生した。

LETS−Q

地域通貨・LETS−Q LETS型。インターネットを使っての決済を可能にした全国型の地域通貨。Qでいう地域とは住んでいる場所のことでなく、関心や価値観を同じくするもののネットワークを指す。スローカフェ・プロジェクトにおいては、ニュースタート事務局関西と東京府中のcafe SLOWをつなぐ役割を果たした。

ナマケ

地域通貨・ナマケ  東京府中のcafe SLOWを運営する環境文化NGOナマケモノ倶楽部が発行する地域通貨。紙幣型。ナマケは紙幣自体がエコパペルとタグアというエクアドルで生産されるフェアトレード製品によって作られている。

(5)共有地としてのカフェ・コモンズ

 カフェではイベントやワークショップなどを積極的に行うことにより、様々な情報発信を行います。また、カフェに集う人々がカフェ空間を利用して、独自にイベント等を開催することも出来ます。様々な人たちがカフェの運営に参加し楽しんでいただける共有地の実現を目指します。

カフェで開催されるイベント
ワークショップ

 ゲストをお招きしてお話をしていただいたりしながら、テーマに沿って意見交換などを行います。

コモンズ・ライブ

 様々なジャンルのミュージシャンをお招きし、ライブを開催します。

コモンズ寄席

 若手の落語家や芸人さんをお招きし、寄席を開催します。

100万人のキャンドル・ナイト

 夏至・冬至の日、電気を消して蝋燭の明かりでスローな夜を楽しみます。カフェ・コモンズからは北摂の夜景も楽しんでいただけます。

地域通貨の集い

 様々な地域通貨の団体や、地域通貨に関心を持っていらっしゃる方々の集いを開催します。地域通貨フリーマーケットを中心にシンポジュウムなども行います。

オープン・キッチン

 料理の腕自慢の方が一日店長になって、カフェの運営をします。
 また、生産者の方をお招きし、料理教室なども行います。

Qのイメージイラスト
 
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